Jim Coplien のスクラムマスター研修を受けた

2013/01/22、23 日本橋の野村コンファレンスプラザにて。

動機

現在、サービスビジネスと称して自社プロダクトをいわゆるクラウド上で展開するようなアプリケーションを開発している。大人数による受託開発がメインのビジネスの会社でやっているので廃藩置県時のサムライの商売みたいなところがある。とはいえ、ビジネスモデルが違えばプロセスは変わるはずだし、ウォーターフォール的な開発手法は不向きな領域なのは分かっていたので、非ウォーターフォールなプロセスで開発している。いわゆるアジャイルなと呼ばれる手法を書籍やセミナなどを通じて学んで実践している。コンサルタントだとか経験者を最初に入れた方がいいと色んな所で聞くのだが、そんなお金もないような感じなので一生懸命自分なりの解釈やコミュニティで聞くことを参考に自分のやり方に不安を覚えながら日々を暮らしている。
体系的に学んでみたい、研修のように網羅的に学んで、自分のこれまでの勉強や実践についての勘違い・知識・考えの穴埋めと修正をしたいとずっと考えてた。ただ高額な研修でもあるし(おまけに会社のビジネスモデルにはそぐわない手法)、滅多に開催されないのでなかなかその機会が無かったのだが、たまたまググってみたら「あらま。コプリエンさんが教えてくれる回が。なんと。募集中。」と気づいて、上司に無理言って参加させて貰った訳です。理解ある上司で良かった(10ヶ月ぶり2回目)。

とはいえ、講義を受ける前までは、(ソフトウェア開発の)スクラムの本を読んでみても、確かに良い事書いてるけど、認定とか専門用語やらにあてられて(?)、その良いことの起こる過程や態度についてあまり理解できなかった。これは私の理解力とか感受性が乏しいことが原因。自分でもどうかと思う。で、そんな感じなのに「なんで研修受けたんだ」ってツッコミ入りそうだけど、本当は自分の理解がショボイだけでそうじゃないんじゃないかという期待があったというのは本当です。

全体的な感想

スクラムという名前を伊達に冠しているわけじゃ無いんだなというのが最終的な感想。ああ、だからスクラムっていう名前なのかと。野中先生参加のカンファレンス直後だからか引用も多かった。
「認定」については多分賛否あるような感じだろうし、普及期の一つのやり方だったと分かるけど、あの研修自体はとても意味があると思う。

チームが自律的に動く、自己組織化されるのが大事というのがまずは自分の頭で理解できた気がする。でもね、「自己組織化が大事」って字で読んだり単語で聞いても「ああそうだね」という感じの感想になるんだよな。数年間自分なりにつたないながらもチームで開発をしたり、みんなでその底力を上げてみるという活動をしてきた経験も効いてるとは思う。そうじゃなきゃ…経験と理解を繋げられたと思いたい…。はてさて。

コプリエンさんは兎に角、本質を理解せよといった感じでギラギラ目を光らせて説明してくる。用意されたプロセスとツールじゃ無くコミュニケーションであって、チームの力を引き出せ。という感じ。バグがあったらバグを埋め込むプロセスを直せ。プロセスを改善し続ける。プロジェクトを管理するのではなく、価値を生み出すチームを。コプリエンさんは「皆さんは赤いピルを飲みたいんでしょう?青いピルのスクラムをやるんですか。」と、しきりにけしかけてた。

スクラムの良い本推薦してと言われて大野耐一の「トヨタ生産方式」だし、ああスクラムってそういう事なんだと思った。もちろん、そういうのだけでなくてもスクラム自身にかかわるパターン集とかもオススメしてくれたので、メモとして書いておく。
https://sites.google.com/a/scrumplop.org/published-patterns/homeOrganizational Patterns of Agile Software Development。後者の本は講師自身の著作でもうすぐ翻訳版が出るらしい。

最後はコミュニティがあなたを支援するって言ってくれた。元気を出して近くのコミュニティに参加してみようかな。とりあえず今日の研修をもって新しい出発点とすることとした。

その他の感想

ああ、あの大企業やこの大企業の方、あらあなたは同業他社じゃないですか。へぇ〜、会社の勧めもあって、数人で参加?よくスクラムでやってますので、今回は私が参加しました。今度、スクラムでやるので。といった具合で、この裾野の広がり方はスゴイ…。世界が違う…。と思った。もちろん、自腹で自社では俺だけ参加という猛者もいた。