[ruby]RubyKaigi 2011に参加してきた

7/16〜7/18、RubyKaigi 2011に参加してきた。三連休。
http://rubykaigi.org/2011/ja

初めて参加しようと思った2008年のRubyKaigiはウッカリミスで参加出来なかったので、今回は都合3回目。技術系も情熱系(?)もどの講演も本当によかった。

いつもは参加した直後にエントリを起こしてたんだけど、今回はリリース直前の案件二つも抱えながらの参加で体力の限界だったために一週間も経った。ダメですな。時間が空いていて、「楽しかった」という余韻だけになりつつある。

最後のRubyKaigi。とても楽しめた三日間だった。ここではだらだらと思ったことを思い出した順で書く。

あ、そういえば個人スポンサーなのでバッジを貼ってみる(^^。あこがれのTシャツも貰った。STAFFでも講師でも無いのにこんなすげーの着て良いのか悩んだけど、二日目に着ていってしまった…。


最後のRubyKaigiで寂しい。次回からは一般社団法人となる日本Rubyの会がRubyナニガシをするかもという話が三日目にあった。完全なボランティアベースで毎年100人単位で参加者が増える催し物を継続的に開催するのはさぞかし大変だったでしょう。法人化で持続可能な形態を模索するというのは心強いし、大切な人々が燃え尽きてしまう心配も減る。


懇親会も楽しかった。今回の会場は人の多さと会場の狭さが丁度よくて、常にだれかとおしゃべり出来る距離感が保てる混雑を演出出来ていたし、お陰で人見知りでも結構お話しすることが出来た。三日目のhedoku reject partyでも色々お話しできた。

Rails3レシピブックの著者三人のコンプリートサインも貰えたしなぁ…。ウットリ。


以降、印象に残っている講演をいくつか。

Rails勉強会@東京

これについて書いてないなんて!
この部分は次の日に追記。

@1syo さんが発起人となって、第64回Rails勉強会@東京の出張版としてRubyKaigiで開催された。開催の発端は、第64回がRubyKaigiの日程とかぶるし、普段の主催者のみなさんはRubyKaigiの準備で忙しいからどうしよう…となったところで@1syoさんが引き受けてくれたらしい。

開催前からFacebookでネタ集めや開催についての取りまとめをして、当日も司会をして下さった。そのほか @hamakn さんらも積極的に司会を務めて下さっていた。

最初に、Rails勉強会@東京を何故わざわざRubyKaigiでやったのかについて@1syoさんの熱い挨拶。
こういう参加者どうしで当日ネタを出し合って進める勉強会は珍しいし、そのやりかたを東京以外の地域の方々が勉強会を開く際に参考にして貰えれるきっかけとなれば良いなと思い開いたといった感じ。毎月Rails勉強会にわざわざ大阪から来ていたみなみrbの人の話も交えた熱いトークで、非常によかった。


西村さんのRails情報源の歩き方(前編)をネタに色々情報源の集め方や、Stack Overflowを使ったgem宣伝のライフハックなどで話が盛り上がる。

そうこうしてると @moro さんのRails3レシピブック談義と進み、盛り上がってきたところで @a_matsudaさんのレシピブックの読みどころ解説。最後に@a_matsudaさんがスペシャルサプライズゲストとして@AkitaOnRailsを呼んで下さり、語学とキャリアについての素晴らしい話をしてくださった。 @satococoa さんが @AkitaOnRailsさんからのメッセージ として訳してまとめて下さった。素晴らしい。

Ruby Ruined My Life.

ご存じ、たこやき仮面の基調講演。たこ焼き仮面のnokogiriリリースノートはいつも楽しみにしている。最近はリリース内容より小説(?)の方が長い。ruby-list:47656 ruby-list:48199

RubyコミュニティとRailsコミュニティや言葉の壁からくる境界や特性の違いについて。

Rubyの活用が広まるにつれて、海の向こうではさらに境界の存在感が増してきているんだろうなぁと。海の向こうの話が時々聞こえてくるけど、Rubyの利用範囲や市場規模もずいぶん違うみたいだし、この境界が良い方向に働けばいいけどそれが足かせになるのはよくないよと思った。

あと、言語学習のために別人格を作るというのは面白いアイディアだと思った。ひげの山男とかピンクオォーリアーとかはただの陽気なハッカーじゃなかったんだ(失礼)!

The Gate

私は角谷さんの論理性に支えられたピュアな主張という感じの講演が好きでいつも聞きに行ってる。とか言いながら半分くらいはその論理性が理解できてないところもあるので自分は結構いい加減である。ただ、社内で長い時間かけて色々自分なりにソフトウェアの開発に関する活動をしていると、ああそうだよねぇと後で理解できることがままあるので、まぁそれでいいじゃないという事にしている。

多様性の話があったけれども、Rubyがもたらした多様性への影響力はホントに素晴らしいと感じている。このまえもChad Fowlerさんの記事の翻訳がるびまに掲載されていてそんなことが書かかれていた。以下長い引用。
Chad Fowler on Ruby

僕が思うに、Java だってかつては「風変りな」言語だった。けれど、主要な業界プレイヤーの後押しを受けたテクノロジでもあった。お金もたくさんあったしね。Ruby が Web 業界を席巻した 2004 年から 2005 年の時点では、まだ Ruby は欧米では誰も聞いたことのない日本人の作ったニッチなオープンソース言語でしかなかった。さっきも話したけど、それは従来の IT 業界では物笑いの種だったんだ。

けれど、突然すごくたくさんの人たちが、Ruby の可能性に気づいた。多分、僕自身もそこで気づいたんだけど、このとき一緒に ErlangPythonOcamlHaskellScala、MongoDB、Casandra といったテクノロジを受け入れる門が開いちゃったんじゃないかな。こうした風変りで型破りなテクノロジが同じような時期に急に話題になって、受け入れられはじめたんだ。僕の考えでは Ruby が (Rails の成功を通して) 少なくとも一時的には、たとえ従来通りの保守的な環境であっても「試してみてもいいんじゃないの」という雰囲気になったと思うんだ。企業で採用されるのっぺりとしたツールボックスとはうまく折り合いをつけられなかったとしても、自分たちの仕事に合った適切なツールなんだったらそれを採用するという風潮は、これまでよりも許容されるようになってきてる。

自分が所属してる業界でもそういう多様性の門を開く一人になれればいいなぁと思う。

他には「楽しく」ってのは大事だよなぁと思った。「楽しいだけじゃ続かない」というより、続けられるために必要な活動は「楽しい」という箱の中に収められるようにすることが大事なんだと思う。「楽しい」の横に並べると辛くなっちゃう。コンピュータの外でも多様性を受け入れる動きは進んでいるので、むしろ楽しさを追求することが長い目で見て成功できる社会になりつつあるんだと思う。まぁもちろんそんなうまくいく世の中ではないし、見る人が見るとお花畑脳に見えるんだろうけど、20世紀的なお花畑とは違うと言いたいよなぁ。

Personal Dilemma: How to work with Ruby in Brazil?

ブラジルから来た秋田ファビオ誠さんのお話。ブラジルでRubyを広めてきたお話しと、自分のキャリアの考え方について。

自分の感想は思いっきりTwitterに呟いてしまったので、Twitterに書いたことと同じコトを書いてしまう。
自分が今居る場所が特殊なせいでうまくいかないんだとはあまり思わない方が良いのではないかと。「日本は特殊なので○○できない」とか、「うちの会社は保守的なのでいつも××だ」とか。

ブラジルは保守的なのでRubyとか広まらないから自分で市場を拡大する活動をしたとかそういう話をしてきたので、ビックリした。はーあんなハッピー南米な感じの国だけど、やっぱり人類同じ遺伝子持ってるんだし、人間社会、どこもだいたい一緒なのねと。
ダウンサイジングとコモディティ化の繰り返しがこの業界だけれども、保守的なみんなに合わせて自分のキャリアを積んでいたら自分もダウンサイジングとコモディティ化されてつまんない人生しか送れないよという説明の仕方は面白かった。保守的なのはどこも同じで、その中でどう泳ぐかを考えようという感じでしょうか。

取りあえず最近よく聞く「欧米では」とかそういうのはもうやめて、自分や自分の所属している組織がどうあるべきかを考えようよ〜と思った。